これからのオフィスに求められるもの
-経営課題を解決し、新しい働き方を創出できるオフィスとは -

経営層の皆様がお悩みの課題は、優秀な人材の採用・定着・育成、セキュリティ面の対策、ペーパレス化など資源やスペースの有効活用、生産性の向上、イノベーションの機会創出、フリーアドレスやテレワークなど柔軟な働き方に対応できるデータの保持の仕方…など多岐にわたります。

現状の施策に手詰まり感がある場合、社員の方と一緒に「現在のオフィスの問題点は何か」「どのような働き方が望ましいか」「理想の働き方ができる環境はどのようなものか」などを考えてみると良いかもしれません。そのきっかけとして大きなチャンスとなり得るのが、「オフィス」の在り方を見直す、改装や移転のタイミングです。

見た目を良くするだけではなく、社内外の人々がコミュニケーションを図り、より新しいアイデアを生み出す場としてのオフィスが見直されています。その目的は、さまざまな企業課題の解決です。

時代にマッチするオフィス、オフィスバコが目指している「企業の課題解決ができるオフィス」に望まれているかたちはどのようなものか、働き方のトレンドや経営者・ワーカーを対象に行われた調査結果から見ていきます。

オフィスづくりのトレンドワード「ABW」とは?

フリーアドレスの先を行く言葉として、ABW(アクティビティ・ベースド・ワーキング)があります。これは、各ワーカーの活動に応じて、それに適した働く場所を選択できる働き方です。固定席を作らず、執務スペース内の好きなデスクで作業をするフリーアドレスに対し、こちらは社内外を問わず、働きやすい環境を選択でき、より自由に働けるワークスタイルです。オフィスの中にくつろげるスペースや集中できる環境など、さまざまなニーズに合わせた空間をつくり、各社員はデスクの“席”に縛られず、それぞれの活動に応じた環境を選べるのです。

またそのようなデスク以外の場所、あるいは社外で働くときは、ICTのテクノロジーを使い、業務が不自由になったり、セキュリティが脆弱にならないよう配慮がなされます。
欧米で相次いで導入され、日本でも注目されているABW。その目的は、それぞれの社員が「活動に適した」環境で働くことで、より生産性を上げることです。個人にとって快適な環境が仕事の成果に反映されれば、会社と社員の双方にとって、大変ハッピーなワークスタイルとなるでしょう。

世界で始まっているABWも、オフィスバコが目指すオフィスのかたちも、大きくとらえると「個々が働きやすく、そして会社にとって有益である」という方向を向いているのは、時代背景がそうしたオフィスを、そして新しい働き方を求めているからでしょう。

「働き方改革」というやや漠然とした言葉で語られ、時短の規定と現場の仕事量とのギャップが話題に上がることが多い昨今ですが、現実を振り返り、会社経営者や社員の方々は、日本のオフィスの“今”をどのようにとらえ、悩み、方向性を見出しているのでしょうか。
各種調査データで見ていきましょう。

経営者の多くがオフィスは「投資」であり、「経営課題の解決方法の一つ」と捉えています

  1. ◎ 2012年時点には、経営層の60%が「オフィス支出は経費でなく投資」と回答

    社団法人日本オフィス家具協会(以下JOIFA)が2012年7月に行った「経営者アンケート結果調査報告書」によると、「オフィス支出は経費か投資か」という問いについて、既に2012年半ば時点で、経営者の半数以上が「オフィスへの支出は経費ではなく投資である」と答えていました。
    また、調査結果を総合的に見ると、「今後、経営層は経営成果の向上策として、“人やオフィスに対する投資”を重視していく方向が伺える」という傾向分析がなされています。

    オフィス支出は経費か投資か(経営層データ)
  2. ◎ オフィスを「経営課題解決の解決方法の1つ」と捉える経営者は増加傾向

    三井デザインテック株式会社が2018年3月に行った「オフィス環境等に関する経営者の意識調査」によると、「経営者が重視する投資のうち、人材確保(96.5%)や人材育成(96.0%)といった人的資源への投資プライオリティが群を抜いて高く、また「オフィス」を重要視している経営者も 53.6%と、半数以上の経営者にとって重要な投資として認識されている、という結果が出ています。さらに、2016年に実施された前回調査に比べ、このようにオフィス投資に積極的な経営者は、増加傾向にあるとのこと。

    「オフィスに関する支出は投資である」という認識はすでに一般的であり、年々その重要性が高まる傾向にあると言えるでしょう。

    オフィスに対する投資プライオリティ

起業家の多くが「オフィス環境はビジネスに影響を与えると考えている」

  1. ◎ 整ったオフィス環境はビジネスに良い影響を与える

    一方、起業家の方々の意識はどうでしょう。
    東急不動産株式会社「起業家を対象とした、オフィス環境に関する調査」(2018年8月実施)の結果から見ると、「起業家の79.0%が、オフィス環境はビジネスに影響を与えると考えている。」とし、また、「整ったオフィス環境はビジネスに良い影響を与えると答えた人が85.1%」、さらに「ビジネスが軌道に乗っていない人の 62.3%が、“現状のオフィスに満足していない”と回答」という結果になっています。

    Q.整ったオフィス環境は、ビジネスに良い影響を与えると思いますか?
    ビジネスを軌道に乗せるには、まずオフィス環境を整えることが必要。

    会社のスタートアップ時は、なかなかオフィスに費用を充てにくいかもしれません。しかし、思わしくないオフィスではなかなか業績が上がりにくく、ビジネスを好転させるためにオフィス環境を整える重要性が実感されるのだと推測されます。
    起業家自身がそう考える以上、従業員がいれば、彼らも当然オフィス環境が仕事に与える影響を受けるでしょう。

    ここまで、経営者や起業家の方の調査結果を見てきました。気になるのは、経営層と一般のワーカーの意識にギャップはあるのか?というポイントです。

ワーカーのオフィスへのニーズは?

社員のモチベーションを向上させ、シナジーを生み、意欲的に成果を生み出せるオフィスにしていくためには、経営者だけでなくワーカーである社員の目線も必要になります。

ワーカーはどのようなオフィスや働き方を期待しているのでしょうか。また、それらは経営者層の意識と一致するのでしょうか。
JOIFA「ワーカーアンケート集計・分析結果報告」(2016年7月実施)から見ていきましょう。

  1. ◎ オフィス環境(家具や内装など)に対する満足度は極めて低く、経営層とワーカーとの評価に差異がある。

    上記「ワーカーアンケート集計・分析結果報告」を見ると、下記のような結果になっています。

    1. ・家具に対する満足度:

      「オフィス家具には十分満足している」との問いへの全体の回答は、「そう思う/ややそう思う」14.5%、「どちらともいえない」30.4%、「あまり思わない/そう思わない」55.1%と全体的に低い満足度を示しています。
      中でも、経営者・役員の満足寄りの評価者は25%・22%なのに対し、契約・派遣を除くワーカーの評価は11~15%とさらに低くなります。
    2. ・内装に対する満足度:

      「オフィスの内装には十分満足している」との問いへの全体の回答は、「そう思う/ややそう思う」16.9%、「どちらともいえない」31.2%、「あまり思わない/そう思わない」52.0%とこちらも満足度が低いです。
      そして、経営者・役員の満足寄りの評価者は25%程度、一方、契約・派遣社員を除くワーカーの評価は14~17%です。
    3. ・自社のオリジナリティに対する満足度:

      「自社のオリジナリティを感じる」との問いへの全体の回答は、「そう思う/ややそう思う」14.7%、「どちらともいえない」27.3%、「あまり思わない/そう思わない」58.1%。
      経営者・役員の満足寄りの評価者が36.2%・24%程度なのに対し、契約・派遣を除くワーカーの評価者は10~16%程度です。
    4. ・オフィスに愛着を感じているか:

      「オフィスに愛着を感じているか」の問いへの全体の回答は、「そう思う/ややそう思う」23.8%、「どちらともいえない」32.4%、「あまり思わない/そう思わない」43.8%。
      経営者・役員の満足寄りの評価者が50%近く・40%程度なのに対し、契約・派遣を除くワーカーは19~28%程度です。
      現状のオフィスに対する満足度

    このように、オフィス環境に対する満足度は全体的に低く、特に経営者や役員に比べ、一般社員の満足度が低い結果が出ていました。
    それでは、オフィス環境に対する期待はどうなのでしょうか。

  2. ◎ 「オフィス環境は、仕事の成果や仕事に対するモチベーション向上に影響を与える」と多くのワーカーが認識。
    ただし、経営者の肯定的評価者比率は低い。

    全体の回答を見ると、「オフィス環境の良し悪しは、仕事の成果を上げることに影響する」という問いに「そう思う/ややそう思う」と回答した割合は64.8%、また、「オフィス環境の良し悪しは、仕事に対するモチベーションに影響する」の問いに「そう思う/ややそう思う」と回答した割合が71.4%と、肯定的評価者の割合は高いです。
    一方で、仕事に対するモチベーションへの経営者の肯定的評価者の割合が、他に比べて低く、62%程度となっています。

    オフィス環境に対する期待

    「ワーカーアンケート集計・分析結果報告」でも、「現状のオフィスに対する満足度の低さと合わせて考えると、適正な施策によりオフィス環境に対する満足度を向上することで、仕事に対するモチベーションを高め、仕事の成果向上に結び付けることに寄与できるものと考えられる。」とされています。

  3. ◎ 働き方変革への期待

    「ワーカーアンケート集計・分析結果報告」では、これからの働き方として「共感できるもの」「魅力的なもの」についても調査しています。
    昨今のワークライフ・バランスやテレワーク、モバイルワークの影響もあり「仕事の成果を重視し、働く場所や時間に縛られずに働くことができる」が最も多く(42.1%)、「勤務時間の制約が無く、生活とのバランスをとりながら働くことができる」が4位(37.1%)に来ています。
    また福利厚生的な意味合いも強い「無料で飲み物や軽食のサービスが受けられる」が2番目(40.9%)で、「健康的な食事を摂りながら働くことができる」が6位(33.3%)。
    無料の飲食サービスや、仮眠、マッサージなどは、属性別でみると若年層や一般・派遣社員に関心度が高く、高齢層、部長職以上の経営層は低い、というギャップがあります。

    共感するこれからの働き方

    ワーカーにとって生活時間の大半を過ごすオフィスでの健康問題は非常に関心の高いテーマであり、健康経営などの課題と相まって、経営層にとっても今後ますます重要視されると思われます。
    また、この調査では、「目標達成に意欲的に取り組み、チームや組織に貢献的な取り組みをしている人は、健康やワークライフバランスなどに対する意識も高い」という結果も出ています。

  4. ◎ オフィスに対するワーカーニーズと経営への貢献につながる課題解決は?

    「ワーカーアンケート集計・分析結果報告」では、調査結果をもとに、下記のように記されています。


    • ・ワーカーにとって共感するオフィス像とは、組織としての目的を共有することで一体感や信頼関係があり、人と人との交流が活発に行われ快適で、自然と歩き回りたくなるような仕掛けにあふれた働きやすい空間。なによりそこで働くことが楽しく感じられ、自分自身が成長していると実感できるオフィスであるといえる。
    • ・基本性能としての家具やツールのレベルを担保しつつ、継続的に改善・改良を行うことが重要であり、自社に見合った基本性能を満たした家具やツールを導入することが、経営に貢献すると理解すべきである。また、BYOD※の導入を積極的に検討する事を働きかける事が企業全体のセキュリティ問題がないかを見直すきっかけになり、ひいては経営への貢献の一端になる。
    • ・それぞれの企業、オフィスにより具体的な改善施策に違いはあるが、「安全・安心で働きやすいのか」「信頼関係・一体感は醸成されるのか」「健康的に働けるのか」「仕事を楽しく感じながら働けるのか」が、今後のオフィス環境(への投資)の重要な視点であり、現状のオフィス環境を見直す視点である。

    ※BYOD:ビーワイオーディー(Bring your own device)
    個人保有の端末を業務に使用すること。私的なデバイスを使用して、企業保有の情報にアクセスするため、情報セキュリティリスク対策や、アプリケーションを使用することにより、社員のプライベート情報が会社に知られることに対する対策が必要となる。

新しいワークプレイスのかたちと、新しい働き方のために。

こうした時代背景やオフィス環境への意識の高まりは、企業規模の大小を問わず浸透していくと思われます。
経営者が「投資」として期待する効果を上げ、且つ、ワーカーのモチベーションや生産性を向上させるためには、経営層の視点とワーカーの意見を統合し、全社が共通の目的意識で活用していく上で最適な“場”としてのオフィスが必要となると、オフィスバコは考えます。

ワーカーが活き活きと健康に働くことができ、モチベーションが向上するオフィス環境の中で、新しいコミュニケーションが生まれる。そして個々の生産性が上がり、組織の創造性が増してイノベーションが生まれていくオフィス……。
これからのオフィスの在り方、そして働き方は、どんどん変化を続けていくでしょう。

会社ごとの課題や、思い描く理想のかたちは様々です。
経営者の皆様の思いと、社員の方々のモチベーションや成果につながる新しい働き方。その両方が叶うオフィス、そして新しい価値を生み出せるオフィスを、オフィスバコはデザインとテクノロジーの両面から実現していきたいと考えています。

オフィスバコが目指す「これからのオフィス」

オフィスバコは、“「ただいま」って言いたくなるオフィスづくり”を標榜しています。
対話ができるスペースやほっと一息つける場所、集中できる場所…。いろいろな場所で、シーンに合わせて心地よく働ける。そんな自然でストレスのないオフィス環境づくりを心掛けています。

またオフィスバコは、心地よい環境や働きやすいレイアウト、そして美しいデザイン性の実現と同時に、OA機器やICTソリューションといったテクノロジーで、ストレスのない働き方をサポートする提案をワンストップで担えます。
こうしたデザインとテクノロジーの双方を同時に進めることで、より良いオフィスづくりがスムーズに進み、工期や費用を縮小することも可能になります。

環境とテクノロジーを充実させることで、会社の課題への取り組みや新しい働き方への移行にまつわるハードルを解決し、企業と社員双方にとって「より良い」オフィスをつくることこそ、オフィスバコが目指すかたちです。

作業デスクや会議室の他に、リラックスできるスペースや気軽に立ち話ができるスペースを設けることで、新たなコミュニケーションが生まれ、新しいアイデアも生まれるでしょう。また、採用の候補者や来訪者が訪れた際には、会社のビジョンを表現できるデザイン性の高いオフィスが、その会社の在りかたを言葉以上に雄弁に語ってくれます。

会社の内外を問わずフレキシブルに仕事ができる自由な働き方は、社員にとってモチベーションの向上につながると同時に、優秀な社員の定着や新しい着想にもつながります。そのようなフレキシブルなシーンを、最適なテクノロジーがスムーズに、トラブルなく支えれば、不必要なストレスの下で我慢しながら働くよりも、成果は大きなものになっていくはずです。

それぞれの会社の課題と働き方に寄り添い、フレキシブルな働き方が選択できる。でも、オフィスに着いた時には「ただいま」って言いたくなる。そんなオフィスづくりを、ぜひオフィスバコにお手伝いさせてください。

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