ラ・カーサメイン画像

新オフィス「未来デザインラボ」は、
多様な価値観が混ざり合い遊び心があふれる発信の場

  • コミュニケーション活性化
  • スペース有効活用
  • ブランディング
  • ICT活用

株式会社 ラ・カーサ 「未来デザインラボ」

  • 面積

    272㎡

  • 社員数

    93名

  • 施工費用

    1,500万円

Point

  • エリア特性を考えた活用
  • 人と人との出会いを生む“触媒”としての「デザイン空間」をつくる

オフィスの課題と解決

Before

  • もともと建築設計事務所だった場所を、3社のオフィスであり、
  • 更に広がりのある活動拠点としたかった。

建築家の間宮晨一千氏より、社会に何か投げかけるようなプロジェクトを一緒にやっていこうという提案があり、未来デザインラボはスタートした。もともと間宮氏が所有していた事務所をリノベーションし、住宅会社「ラ・カーサ」、建築設計事務所「間宮晨一千デザインスタジオ(1/千) 」、住まいのマッチングプラットフォーム「SUVACO」が集う新たな拠点をオープンさせた。
これまでのラ・カーサの拠点は、多くの人が訪れ、世界観を体感してもらえるように、カフェや雑貨店などの店舗が併設された広いスペースで展開してきた。間宮氏の事務所を見たとき、ここは今までとは異なる活用をしたいと考えた。

After

  • オフィスであると同時に、
  • 外部にも刺激を与えられる場所へと変化した。

オフィスであると同時に、学生とプロが集い交流することで、社員の新たなアイデアを創出する場として活用。更に、イベントやワークショップを繰り返し、外部にも刺激を与えられ場所へと変化させた。

ka-sa_01

オフィスはこう変わった

  • 若い世代が多い、日進市のエリア特性を活かす

    魅力的な注文住宅を手掛けるラ・カーサは、モデルハウスを持たない。
    「住む人も土地も、それぞれ違うのに、イメージを決まった型にはめてしまうモデルハウスを作ること自体がナンセンスなんですよ」と熊澤社長は笑う。その人、その土地に合ったオーダーメイドの家づくりをするラ・カーサは、モデルハウスの代わりに同社の設計やディレクションまで含めた世界観を感じてもらうための拠点を、愛知県内に4か所展開している。それらは、家づくりに限らず多くの人が興味を持って入りやすいように、カフェなどの店舗が併設された広いスペースにつくられている。

    注文住宅を手掛ける同社にとって、地価が高くマンションが多い名古屋中心部よりも、戸建てが多いその周辺地域、安城市、江南市、春日井市などが親和性の良い場所だ。「未来デザインラボ」がある日進市もそのエリアの1つである。そしてここは、日本でも有数の若い世代が多い地域。これからますます家が増えていく明るい未来が広がる場所だ。

    この地にもともとあった建物をどう再活用するか、そこからオフィスづくりは始まった。

    ka-sa_02
  • 固定概念にはとらわれない。従来のオフィスとは違う場だから「効率」という考えも捨てた。

    日進市という特性と、これまでにはないものを創りたいという思いから、各分野の専門家や学生など若い世代が未来を考え、語り合い、発信する場として生まれ変わらせることに決めた。
    オフィスであると同時に、学生とプロが集い交流することで、社員の新たなアイデアを創出する場として活用する。さらに、イベントやワークショップを繰り返し、自分たちなりの解を導き出すことで、外部にも刺激を与えられる場所にしたいと考えた。

    未来を考え、発信していく場として必要だったのは、さまざまな人が集まるプラットフォームとなりうる、”触媒としてデザインされた空間”への変化だ。設計という機能的な側面だけではなく、“デザインする”という考えから、広がりを生み出す必要があった。

    例えば、エントランスのドアを開けて最初に目に飛び込んでくるのは、大きなキッチン。壁や床の質感、落ち着くとともに斬新さも感じる照明、心地よさそうな椅子やソファ、随所に配置されたアート…など、居るだけでワクワクしてくるデザインたちだ。

    さらに、ここで行われる自由で型にはまらないゼミやセミナーをこの場だけにとどめるのではもったいないしつまらない、YouTubeで発信もしよう!と考えて、高機能な電子黒板「Big Pad」を導入し、特殊なガラスでマジックでも書けるし映像も流せる大きなパネルも設置した。

    ka-sa_ph03
    コミュニケーションで大きな役割を担うシンボリックなキッチン。
    広いカウンターは木の質感や手触りを重視した。
  • 大きなキッチンをつくり、冷蔵庫も大きな業務用のものを入れたのは、人と人が会って仲良くなる上で、“食べること”の存在が大きいから。ただ椅子を並べてスクール形式で勉強するだけでは堅苦しいしつまらない。人が集まって一緒にごはんを食べながら話ができる空間が欲しいと思った。

    学生たちにも、学校とは異なる自分たち自身で考える学びの場を提供したい、彼らが面白がって来るような空間にしたい、そしてまだ企業に所属していない、彼らの自由な発信や感性に、大人たちも触発される。こうした空間づくりに、このキッチンと食事は大きな役割を担っている。

    「立場や年齢がばらばらな人たちが上下関係にとらわれず、多種多様な関わり方をできる場って実はあまりない。効率性だけを考えるなら実現しづらいかもしれませんが、他ではやらない取り組みだからこそ投資する価値がある」と熊澤社長。

    若い熱気があふれるグループディスカッションやワークショップの場として、「未来デザインラボ」は日々にぎわっている。「いろいろな人たちが関わっていくことで、思いもかけなかったものが生まれてほしい」という思いを込めた“ラボ“という名前にふさわしい空間になった。

    ka-sa_ph04
    自分たちで考え、アイデアを出し合う学生たち
  • オフィスで働くメンバーにも変化が表れた。

    「未来デザインラボ」をオフィスとして働くスタッフたちにも、この環境は影響を与えている。例えば「ただのオフィスならばつくらなかった」というこのキッチンは、社員同士のコミュニケーションの活性化にも一役買っているのだ。
    自然とみんなで昼食をつくり、ここで食べるという文化がいつの間にか生まれていた。日替わりの食事当番がメインで料理をするため、グルメなメンバーが食事当番の日は、参加者が倍に跳ね上がるというなんとも微笑ましいランチタイム。社員たちのリフレッシュにもつながり、午後の仕事の活力にもなっている。

    ka-sa_ph05
    食事当番を中心に、メンバーに喜ばれるメニューを考え、腕を振るう
  • イベントやワークショップを開催できるということは、打ち合わせスペースも豊富ということだ。ある者はキッチンを挟んで立ちながら仕事内容を共有し、また別のグループは2階の広いテーブルを使って打ち合わせをしたり……と、この空間を活用して楽しみながら業務を行っている。「未来デザインラボ」として考えられたスペースが、社員にとっても居心地のいい、“その場にいることが楽しめる”労働環境にもつながっている。

    ka-sa_ph06
    それぞれのメンバーがいきいきと働くオフィス空間としても機能している
  • その場にいることを楽しめる空間をつくる。このチャレンジこそ「リノベーション」。

    これからオフィスをつくろうとする会社へのメッセージを熊澤社長に求めたら、こんな言葉が返ってきた。
    「オフィスを変えよう、リノベーションしよう!と考えるなら、チャレンジをしてほしい。どうしていきたいかをとことん考えて、働く人がその場にいることを楽しめる空間をつくれるようにすること、そんなデザインが“リノベーション”です。従来のルーティンをこなすためだけの変化ならば“リフォーム”と呼んでほしい」
    経営者が徹底的に考えると同時に、オフィスづくりに携わる会社も、何のためにオフィスを変えるのか、その目的から共に考えられる会社でなければリノベーションはできない。
    「チャレンジとは自分が行ったことがない、見たことのない未踏の土地に行くこと。せっかく未踏の土地を開拓するなら、大きな砦を建てて旗を立てれば、遠くから人が集まってくるし、新しい仕事にもつながるはずです」と語る熊澤社長。
    この日のイベントもたくさんの若者たちが集い、「未来デザインラボ」を熱気で満たしていた。

    ka-sa_ph07
    多くの学生たちでにぎわう未来デザインラボのイベント風景
  • 会社名

    株式会社 ラ・カーサ 「未来デザインラボ」

  • 事業内容

    注文住宅、住宅・マンションのリノベーション&リフォーム、
    店舗の企画・設計・施工、家具・インテリアの企画・デザイン

  • 面積

    1階131㎡、2階 112㎡、3階29㎡

  • 社員数

    93名

  • 所在地

    愛知県日進市

  • 施工年月日

    2018年6月

  • 施工範囲

    内装・外装

  • 施工期間

    2ヶ月

  • 施工費用

    1,500万円

  • 手がけた専門家

    株式会社ラ・カーサ

  • 取材日

    2019年4月23日

このオフィスに近い条件の事例

事例紹介一覧に戻る