コンパクトながら、仕事に集中できる環境と
機動的に集まれるレイアウトを両立した機能的なオフィス
- コミュニケーション活性化
- スペース有効活用
- 人材採用
- フレキシビリティ
株式会社ファインシード
Point
- 限られたスペースを最大限活用できるレイアウト
- いずれ移転する際にも現状復帰で困らないオフィスづくり
- コストと工期を抑えたリノベーション
オフィスの課題と解決
Before
オフィス移転に伴うリノベーション。
限られたスペースを最大限活かし、働きやすい執務スペースを実現したかった
事業分割により以前よりも働く人数が少なくなったために大きすぎるスペースを持て余していたものの、分社化以前は現在の3倍以上もの社員を擁していたこともあり、机が小さく個人の執務スペースは窮屈なままというアンバランスな状況だった前オフィス。
After
明るい窓際にミーティングスペースを配置し、会議時には個々の椅子に座ったまま集合!
想像していなかったレイアウトアイデアで広々とした執務スペースとミーティングスペースの両方を実現
新体制となり新たに構えることとなったオフィスは以前よりもコンパクト。しかし、限られた広さであっても、以前より個々が働きやすい執務スペースを作りたいと鳥海社長は考えていた。また、前オフィスではミーティングや会議などは参加者全員が会議室に移動する形で行っていたが、時間のロスがあるうえ気持ちも途切れてしまう。これらの課題をふまえて、「ひとりひとりが仕事に集中できる環境と打ち合わせを行いやすいレイアウト、このふたつをスペースの制約がある中でどのように両立させるか」が、最大の課題だった。
今回のオフィスリノベーションを担当したライオン事務器が提案したのは、普段は壁付のデスクに向かって各自業務を行い、ミーティングの際には自分の椅子に座ったまま中央の丸テーブル付近に集まれるレイアウト。
このレイアウトを採用したことで、意見交換のフットワークは以前に比べて格段に軽くなった。何か疑問や問題が発生してもすぐに集まれるため、業務効率もアップしている。
Before
もうひとつのテーマは「移転の際に困らないオフィスづくり」
作り込んだオフィスよりも、簡単に現状復帰を行えるリノベーションを希望していた
企業としてより成長していくことを前提としているため、「いずれ迎える次のオフィス移転の際に、現状復帰などで困らないリノベーション」を実現したいと考えていた鳥海社長。これは居抜きで借りていた前オフィスからの引っ越しの際、多額の原状回復費用が発生してしまった経験から。今後起こるであろう社員数の変動にも都度対応できる、可変性の高いレイアウトでのリノベーションを希望していた。
After
可変性の高いオフィス家具を使った「作り込み過ぎないレイアウト」を採用
今後発生する社員数の変動にも都度対応できるオフィスに
その要望を受けてライオン事務器が考えたのは、パーテーションやオフィス家具を上手く利用した空間づくり。コンセプトをしっかりとデザインしたうえで、ワゴンで仕切れるデスクやパーテーションで仕切って作る応接スペースなど、社員数の変動にあわせて柔軟に対応できるレイアウトに仕上げた。
Before
物件契約から移転までの期間は実質3ヶ月!
コストと工期を抑えたリノベーションを行う必要があった
立地や耐震性など譲れない条件をもとに吟味し、納得のいく物件を契約したのが2022年9月。2023年1月の新オフィスでの始業に間に合わせるため、工期はもちろん、やりとりのスピーディさも重要視していた。
After
使える家具は前オフィスのものを使用。
新しい家具と手持ちの家具でバランスの取れた内装に
今回のリノベーションは、オフィスバコへの相談後、ライオン事務器とオフィスバコ担当者、鳥海社長の3者で初回の打ち合わせを開催し、その後ライオン事務器担当者が前オフィスと新オフィスを内見する形で進められた。初回打ち合わせの2週間後にはライオン事務器からレイアウト2案が提出されるという非常にスピーディな進行で、1月の入居に無事間に合わせることができたそう。
また、分社化したばかりでの移転ということで、コストをあまりかけられないことも課題だった。この状況を踏まえたライオン事務器からの提案は「前オフィスの家具で使えそうなものを上手に利用する」というもの。現在応接スペースで使用している赤い背もたれの椅子は、実際に前オフィスから引き継いで持ってきたものだそう。新たに導入したテーブルともマッチしている。
持ってくる家具については、ライオン事務器の担当者が前オフィスに複数回訪れ、確認・相談しながら選定した。持ちこみ家具すべての寸法を測って図面に落とし込んだため、新たに導入するオフィス家具と違和感なく溶け込むデザインに仕上がっている。
作業効率やアウトプットに大きく作用する執務スペースには、なるべく最新の机・椅子・キャビネットを導入。一方、それ以外の場所には前オフィスでの思い出の家具などを持ち込むことで、前オフィスからの連続性を持たせることにした。これについては社員たちからも、「新しい場所の中に見知った家具があることで、自分達のオフィスだなと安心できた」との声が上がっていたそうだ。
オフィスはこう変わった
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新体制のスタートを切る新たなオフィス。求めたのは、立地とコンパクトな使いやすさ。
今回オフィスリノベーションを行った株式会社ファインシードは、インターネットメディア事業を運営している企業。大半を無料で使えるメディアプラットフォームやアプリの開発・運用などを行っている。現在の従業員数は7名。事業を展開していく中で分社化した経緯があり、現在は人数が縮小しているところだそう。
以前のオフィスは浜松町。分社化にあたり今後の人材募集を考えたことから採用に有利な立地と新たなトレンドをキャッチしやすいエリアへの移転を考えるようになり、新体制になったのを契機に新たなオフィスを渋谷で構えることに決めた。
物件を探す時に重視していたのは第一に立地、さらに耐震性。また、現在の社員数に見合う、コンパクトで使いやすいレイアウトを実現できるオフィスであることも重要。さらにIT事業を行っているため、ネットの接続や電源状況などさまざまな希望条件があった。何件もの内見を重ね、3ヶ月かけてようやく見つけたのが現在オフィスが入居する物件だった。 -
社員の働きやすさを叶えたレイアウト
前オフィスでの悩みのひとつが、執務スペースの窮屈さ。業務分割で一時的に社員数が減少したため全体的には空きスペースが目立つものの、以前は多くの人が働くオフィスだったため、個人に割り振られているデスクは小さく、使いづらいままだった。
IT事業という特性上、何台ものモニターを並べる必要があるうえ、書類などの資料も多い。狭いスペースの中でなんとか業務にあたっている社員の姿を見て、鳥海社長は「窮屈な環境はアウトプットにも影響が出てしまう」と考えた。 -
新たなオフィスは以前よりコンパクトな作りではあるものの、個人の執務スペースはなんとか広く作ってあげたい。そんな悩みをヒアリングしたライオン事務器の担当者は、2つのレイアウトプランを考えた。
ひとつはオフィスの真ん中にデスクで島を作るレイアウト。オフィスレイアウトとしては一般的な形であり、社員同士が対面するため日頃のコミュニケーションが取りやすいという利点がある。しかし、新オフィスにこのレイアウトを採用した場合、部屋の作りがコンパクトなことから導線に若干の問題があり、スペース的にも座席の移動は難しそうだった。さらに部屋の形が縦に長いので窓際へのアプローチが比較的狭く、席を固定してしまうと解放感を得られる席と得られない席があるようにも思えた。
そこでもうひとつのレイアウトパターンとして提案されたのが、現在のオフィスに採用されているレイアウト。個人のデスクをそれぞれ壁際につける形で配置し、窓際にはミーティング用の丸テーブルを配置。限られたスペースの中で、広い執務スペースとミーティング専用スペースの両方を叶えようとすると、どうしても導線を削ることになる。そこでライオン事務器の担当者は、ミーティングスペースに専用椅子を置かず、ミーティング時には各自の椅子を持ち寄り利用することを提案した。
これにより椅子のスペースを削減できるだけでなく、狭くなっていた導線の問題も解決。個人が集中して業務にあたる時間と、打ち合わせなどコミュニケーションを取る時間を上手く切り替えられる空間を実現することができた。
真ん中に大きな導線を確保し、窓際の抜け感を保てたことでベランダにも出入りしやすい。「明るい光が入ることや、気晴らしに外の空気を吸いやすいことなども社員の気分転換に役立っているのでは」と鳥海社長も満足している。 -
機能的なオフィス家具で日々のストレスを軽減
オフィス家具は、コーポレートカラーのグリーンを基調にマットなブラックと2色で統一。明るいグリーンと落ち着いたブラックの対比が洗練された印象だ。
インターネットメディア事業という業務の特性上、長くデスクワークを行う社員の健康状態も気になっていたため、少しでも体に負担がかからないものをとオフィスチェアも機能性の高いものを全席に導入した。
他にもA4書類を真横に収納できるため収納・管理が行いやすいデスクワゴンや、開口部を大きく取れる3枚扉の収納棚など、執務スペースには日常の業務で感じる小さなストレスを削減できるオフィス家具を取り入れたそう。鳥海社長も「日々の小さなストレスが無くなったことでより快適に業務にあたれています」と話す。今回のリノベーションを担当したライオン事務器とのやり取りについて聞いてみると「常にスピーディーな返信で、安心感あるやりとりができました」とのこと。図面やカタログだけではわかりにくかった最終的なイメージも特別に制作された3Dモデルで具体的に確認することができ、最後まで安心して進められたそう。「時間が無い中でここまで丁寧にご対応いただけて、本当にありがたかったです」と笑顔で答えてくれた。
限られたスケジュールの中で、「会社に来るのが楽しい」「会社に来たいと思ってもらえるオフィスを実現できた」と話す鳥海社長に今後の目標について聞いてみたところ、「これからどんどん企業を大きくして新サービスの導入も積極的に行っていきたい。そして1日も早くより大きなオフィスに移ることを目標にみんなで頑張っていきます」と頼もしい答えが返ってきた。新たに整えられたオフィスは、いずれ訪れるであろうより大きなオフィスへの移転実現に向けて、鳥海社長と社員たちの後押しとなってくれるはずだ。
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クライアント名
株式会社ファインシード
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事業内容
インターネットサービス
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従業員数
7名
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所在地
東京都渋谷区
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施工年月日
2022年12月
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施工範囲
オフィス移転、レイアウト提案、什器納入
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施工期間
1ヶ月
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手掛けた専門家
株式会社ライオン事務器
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取材日
2023年1月
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取材・文
松永麗美