株式会社オザワ食肉センター

見えない配線が事業を脅かす?
創業95年の食肉卸会社がオフィスバコと実現した電気・内装工事の舞台裏

  • スペース有効活用
  • 作業効率化
  • セキュリティの強化

株式会社オザワ食肉センター

東京都目黒区

Point

  • リスクを共有できる関係を構築できたからこそ超えられたハードル
  • 内装工事は電気工事のチャンス。リスク要因を解消し、配線図なども整備され、将来への不安を払拭
  • 社員が口に出さずに我慢していたストレスを解消し、モチベーションアップ

株式会社オザワ食肉センター(以下、「オザワ食肉センター社」)は創業95年の伝統を誇る食肉卸会社。

東京都目黒区にある本社ビルは約40年前に建てられ、1階がオフィスと加工場、2階は加工場、3階は倉庫と社員休憩室として使用されている。従業員は約65名で、もともとは本社は青山にあったが手狭になり、現在の目黒本町に移転してきた。事業内容としては、食肉の加工・卸売を手がけ、多種多様な飲食店、社員食堂、ホテルなどに多様な顧客に食肉を卸しており、特に23区内への迅速な配送が強みとなっている。

東京都目黒区にある本社ビル

電気配線に関する具体的な課題(例:頻発するブレーカー落ちや不明な配線)を抱えつつも、対応できずに半ば諦めていた。

オフィスの課題と解決

Before

加工場・配送センターに併設された事務所。事業の司令塔でありながらリスクを抱えながら走っている状態だった…

築40年の本社オフィス。「先代がしっかりしたものを建ててくれた」との言葉通り建物はしっかりしているが、電源設備などは、ツギハギで増設して凌いできた弊害がではじめていた。
以前の工事を手がけた電気工事会社とはコンタクトが取れなくなっており、電気工事をまるっと任せられる業者はいなかった。何より、現在の状況を確認する配線図やネットワーク構成図も手元に保管されておらず、一から確認しなければならない。
ブレーカーが落ちることも頻発しており、現状の電気配線に課題は感じつつ、「実際に電気工事を実施するかどうかは、かなり悩んだ」と小澤取締役は語る。
顧客は飲食店・ホテルなど多岐に渡り、急ぎのものも含めて注文は24時間ひっきりなしにはいってくる。電気・通信機器が正常に稼働することは事業の生命線。止めることは許されない。電気工事を行うために一旦落とす必要があるが、万が一それで再起動しなかったら、業務を止めることになる。お客様からの注文受注システムにトラブルが発生したら、これまで築きあげてきた信頼、オザワブランドを毀損することになりかねない。

さらに、これまでつきあってきた電気工事の会社に良い印象を持っていなかったことも、電気工事に踏み切ることを躊躇わせた。

After

内装工事のタイミングに合わせて電気工事を実施することを決意。
漏電・停電リスクの要因を除去するとともに、現状を把握し、共有。将来に備えた体制が構築できた。

床の内装工事の相談に乗っているなかで、課題があることを聞いたオフィスバコの橋本は、内装工事のタイミングに合わせて電気工事も実施することを提案。
確かに、今回は床からものの撤去を伴うリフォームを実施するため、電気工事を行う絶好の機会であった。一方で、内装工事だけでもスケジュールが厳しい中、電気工事まで行うかどうかは慎重な判断が必要だった。「現状なんとかしのいでいるのに、リスクをとって電気工事をおこなう必要があるのか...」。
橋本と慎重に協議した結果、内装工事のタイミングに合わせて電気工事を行うことを決意した。ただし、工事の日程が限られていること、そして、電気設備・配線について現状を把握できる資料がほとんど整備されていなかったことから、今回は抜本的な電気工事ではなく、限定的な緊急対応に絞って実施することにした。事業上のリスクをはらむ漏電と停電リスクの除去に絞って対応し、床を剥がして発見できた断線リスク回避のための補修もおこなうこととした。
あわせて、現状把握のための調査を実施した。調査結果をもとに機器構成図を整備。設備のEOS(部品供給終了)を確認し更新計画に反映するとともに、機器構成図・ネットワーク図を共有し、障害復旧フローを整備した。

Before

きっかけは内装リフォーム。早期に行いたかったが、条件にあう業者がなかなかみつからなかった

かなり難しい条件だったので、「オフィス改装 最短」「オフィス全面改装」など「いろいろな検索条件で探しまくりました」と小澤取締役は笑って振り返る。
オザワ食肉センター社の主な要望は、
①丸2日間(金曜夜から日曜朝)という短期間での工事完了
②床(OAフロア)の歪みの修正
③OA機器を止めないこと(電気・通信のダウンタイムを最小限にすること)
だった。
業務への影響を最小限にするために週末の工事が大前提。通常といっても日曜の午後は業務は稼働しているため、金曜夜から日曜朝の丸二日間で工事を終わらせて欲しいというリクエストだった。
OAフロアは体感できるほどの歪みが生じていた。短期間のスケジュールで「対応できる」と言ってくれる会社はほとんどなかった。

2月の3連休は比較的業務が落ち着くことから、そこにあわせて施工日が事前に決められた。といっても、作業可能な時間は丸3日。他の業者は「2週間かかる」「業務を止める必要がある」と言って断ったが、オフィスバコの橋本は違った。

After

リスクを共有した上で、決断をくだしてもらう。
本当の意味でのパートナーシップを構築できたからこそ、無理だと思えたプロジェクトが進んだ。


他の業者が無理だと断る中で、オフィスバコの橋本が「できます」というので、小澤取締役は「本当にできるの?」と疑ったという。本当にできるのか、具体的に聞いてみると、「こういうやりかたをすれば、こういうリスクはありますができますよ」と明確に伝えてくれた。確認のために追加質問を繰り返す。わかるものはその場で、確認の必要があるものは別日に、わかりやすい回答が返ってくる。小澤取締役の安心感がだんだん高まっていったという。
橋本は闇雲に安請け合いをしたわけではない。「小澤さんは説明をしっかりきいてくれて、必要に応じて自分で調べ、リスクを理解した上で判断してくれるので、このプロジェクトであればなんとかできる方法をみつけたい」。
「こうすればできる可能性はあります」「ただし、こういうリスクはあるので理解してくださいね」と伝える。そこを理解・納得してくれるなら、選択肢は広がる。
実際には以下のスケジュールで進められた。

日程 主な作業 ポイント
1日目
18:00〜
照明器具撤去、什器搬出、電源・LAN・電話ケーブル調査 退勤後に作業開始し、業務影響を最小限化
2日目 既設OAフロア撤去
→ ジャッキ調整式OAフロア敷設、壁下地補修
高さ均一化+床下配線再構成
3日目 床仕上げ材貼付、天井・壁クロス貼 美観改善と配線ルート固定
4日目 什器戻し、配線を系統図通り復旧 ラック整理+配線図・設定表を整備

本当の意味でパートナーになるためには、お互いの努力と、その上に成り立つ信頼関係が必要。橋本は、どうすればできるのかを徹底的に調べ、確認し、提案した。小澤取締役は、橋本に丸投げしない。提案を鵜呑みにすることなく、自分で調べ、わからないことはしつこく確認し、そして判断を下す。そうしたパートナーシップが、無理だと思われたプロジェクトを可能にした。

厳しいスケジュールで施工ができたのは、会社の協力があってのこと。工事は20時くらいまでかかったが、小澤取締役には終わるまで立ち会っていただいた。現場で判断すべきことがあっても、その場で相談して決めてもらえる。これによって、圧倒的に時間を短縮できる。

Before

頼れる専門家がいないオフィス

電話・ネットワーク・ネットワークカメラを納品した外部業者と連絡が取れず、機器設定情報や構成図も残っていない状態。電源系統の増設を繰り返した結果、停電も頻発し、現場からは「このまま床を剥がすのは不安」という声が上がっていた。
通信は事業の屋台骨であるにもかかわらず、保守も終わっていて、頼れるプロがいない状態だった。

After

依頼された内容を実行するだけでなく、頼れるパートナーとしてアドバイス・提案を

オフィスバコは、目先の課題解決だけでなく、将来にわたる安心と事業継続のための基盤を築くことを重視している。当初の依頼内容は床の張り替えであったが、電気系統の補修・現状調査を提案した。
限られた日程の中でリスクを抑えるために、抜本的な電気工事は次回以降の対応としながらも、現状把握のための徹底した調査を実施。その結果をもとに機器構成図やネットワーク図を整備し、設備のEOS(部品供給終了)確認、更新計画への反映、さらには障害復旧フローの整備まで実施。社内に専任の担当者がいなかったオザワ食肉センター社でも、整備されたドキュメントを基に兼任の担当者が適切なアクションをとれるようになり、未来への不安を解消することができた。
また、現場の職人さんの姿勢も同様。「要望されたことをやるだけでなく、職人さんが気の利いた提案をしてくれたことがありがたく、びっくりした」と小澤取締役は振り返る。「コンセントの位置が干渉してしまうので向きを変えておきますね」、「壁紙に余りがあるので、ここも汚れが目立つのでついでに張り替えておきますね」など、現場で依頼事項を超えた「気の利いた」調整。こうした対応が、使い勝手や仕上がりに大きな影響をあたえる。

オフィスはこう変わった

  • ストレスなく働けるオフィス

    工事後の変化について、小澤取締役は社員のストレス軽減、作業効率の向上、オフィス環境の改善を挙げた。
    「特に、床の歪みや天井からの結露、絡まった配線など、社員が長年諦めていた不便が解消されたことで、仕事に集中できる環境が整いました。社員さんたちは、これまで我慢してくれていてあえて口にしなかったけれども、傾いた床、足元に絡みつく剥き出しのコード類などの以前の職場環境にストレスを感じていたようです。」
    停電が頻発することについては、社内に諦めムードもあったという。負荷をかけないように、こわごわオペレーションしていたが、これからは不要なストレスを感じる必要もない。
    さらに、導線も整理されたので、作業効率も向上したとのこと。
    工事翌日の出勤日には「わー」っと歓声が上がったそうです。また、きれいになった環境を維持しようというモチベーションも生まれたとのことです。

  • 現状が把握できていればアクションプランがたてられる

    また、機器構成図・ネットワーク構成図が整備・共有されたことで、誰でも現在の状況が確認できるようになった。障害復旧フローが整備されたので、もしも障害が起きた場合にも冷静に対処できる。


    多くの中小企業同様、社内に専任の担当者はいない。しかしながら、ドキュメントがきちんと整備がされたことで、今後は兼任の担当者が適切なアクションをとれるようになる。

    Offi-Suvaco橋本

    今後は、オフィスの改装工事を行う場合でも計画的に対応できます。また、WiFiや電話設備のトラブルなどがあっても、電話で障害対応ができる可能性もあります

    内装工事と同時に実施された電気工事は、決して映える改装でも、華々しいものでもありません。しかし、この取り組みこそが事業の安定を支え、創業95年の伝統を誇る「オザワ」ブランドが、これからもお客様からの信頼を基盤に、さらなる発展を遂げるための揺るぎない土台となるでしょう。

  • クライアント名

    株式会社オザワ食肉センター

  • 事業内容

    業務用食肉卸売業

  • 従業員数

    65名

  • 所在地

    東京都

  • 施工年月日

    2025年2月

  • 施工範囲

    床の張り替え、天井・壁のクロス交換、電気工事

  • 施工期間

    3.5日

  • 手掛けた専門家

    株式会社CBCビップス

  • 取材日

    2025年8月

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