レポート

【提案レポート】視線の抜けを活かしたABWオフィス空間

オフィスバコでは日々、様々な企業様よりご相談をいただき専門家をご紹介、ご提案をしています。今回は、実際に企業様にご提案をした内容について、計画に参加頂いた専門家と一緒に振り返ります。

ご相談いただいた企業様が感じていた課題・ご希望内容

  • リモートワークが促進し在席率が下がり、部署毎の「島型」のオフィスレイアウトが不要になってきた
  • 書類関係のオンライン化が進んだためスペースを有効活用したい
  • ABWを取り入れたい ※ABW=各ワーカーの活動に応じて、それに適した働く場所を選択できる働き方
  • 社員間のコミュニケーションを促進したい
  • オンライン打合せに対応できる区切られたスペースを用意したい
  • 昼食時、社員がお弁当を食べる場所が自席しかない状況の改善
  • 総務や人事など管理部門を中心としたオフィスのため、社員の来訪に対応できるレイアウトは維持したい

オフィスバコ加藤:普段の在席率は平均40%ほど、多くて60%とお伺いしました。オンライン打合せのために大きな会議室をお一人で利用したり、自席でまわりに気を遣いながら行っている場面も拝見しました。

今回の企業様は事前に自社で様々なオフィスの見学をされたり、学識者からお話を聞いたりと積極的に動かれていましたが、最初から上記のようにご要望をまとめておく必要はありません。上記内容は専門家とヒアリングをしたうえで追加させていただいた項目もあります。課題感やご希望は、ざっくばらんにお話を聞かせていただければと思います。」

企業様のご希望を叶えられる専門家を選定

オフィスバコでは企業様の課題やご希望内容に応じて、専門家の選定、ご提案を行います。今回は以下の専門家と協同させていただき、ご提案へ臨みました。

パスワークデザイン 酒井悠行さん

愛知県春日井市にオフィスを構える設計事務所。コミュニケーションの場となるオフィスや施設の空間デザイン実績が豊富。産学共同の取り組み実績をもつなど、建築だけでなくクライアントのビジネスの広がりを見据え、サポート領域に柔軟性をもちながらプロジェクトに参画してくれる建築家です。

酒井さん「実際のオフィスを訪問して打ち合わせをさせて頂き、自社の環境を積極的に改善していきたいという意思を感じました。オフィス改修プロジェクトは企業の大きな投資であり、新しく価値を生み出そうとしている前向きな方々とのお仕事は楽しみも大きいものです。

その反面、建物に対する投資は経営判断なので、どうしてもトップダウンになってしまう面があります。時には決裁者と実際に使用するスタッフの希望が矛盾することもあり、計画を実現するためには様々なハードルがあります。今回は課題を解決する建築デザインに加え、そこに到達するまでのスタッフの方への周知やサポートまでをご希望だったので、社内コミュニケーションのお手伝いをするためコンサルティングをするチーム体制を整えました。自分は建築家としてのポジションで空間提案を行い、デザインリサーチャーや学識者にお声がけをしてコミュニケーション面のサポートをセットでご提供できるとお役に立てるのではと感じました。

オフィスバコのプロジェクトでは、具体的な設計打ち合わせに至るまでオフィスバコ担当が並走してくれます。クライアントは困ったときの相談相手として、自分やオフィスバコなどいろいろな立場の人がそばにいることで心強く感じられるのではと思います。今回は、空間デザインを検討するうえで、オフィス家具やインフラの商社として商品選定などもお願いすることにしました。オフィスのクライアントと向き合っている数が多いので自分にはない知見をお持ちなので、パートナーとしても心強いと感じます。」

課題解決へのご提案ポイント

  • 抜け感のある建物環境を生かした、視線に抜けを感じられるオフィス
  • 会話が生まれる、大小様々なグループを受け止める空間づくり
  • コミュニケーションを誘発するソファミーティングスペース
  • ゆるやかに空間をつなぐR曲面の壁端部をもつオンライン打ち合わせブース
  • リビング的に設えたキッチンスペースが近くで昼食の取りやすい空気感を醸成
  • 社員の来訪に対応でき、部署を超えたコミュニケーションが生まれるレセプションテーブルの設置と、来訪者と打ち合わせのしやすい動線づくり

ご提案内容

酒井さん「今回の提案では、隅を曲面にした四角いボリュームを独立させながらいくつも置く形をフォーマットとして大きな空間の作り方を解決方法としてご提示しました。課題を局所的に解決するのではなく、空間の作り方が多くの問題を解決し、コンセプトを保ったまま今後の打ち合わせの中で新たに生まれる要望に合わせ、柔軟に組み替えられる形を目指しています。

レセプションテーブルのご提案は、企業様の課題感に対して、運営や使い方のひとつの回答でありあくまで初案です。この案をもとに、企業様とコミュニケーションをしながらベストな形を模索していくためのものなので、今後大幅に変わることも視野に入れています。

私は企業様の方針や実際に使用するスタッフの方と対話をしながら計画を進めることを大切に考えているので、他の案件でも同様に柔軟性のある提案を意識することが多いです。」

オフィスバコでは、企業様がお持ちの課題を解決するため、ご計画に合った専門家をご紹介し、専門家とともにご提案を行います。オフィス改装を前向きにお考えの企業様は、ぜひお気軽にご相談下さい。

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