レポート

2023年オフィス改装はこう変わる!現場を知るプロに聞いた最新オフィストレンド

オフィスの在り方を考えるうえで重要なキーワードのひとつに、「社員が出社したくなるオフィス」が挙げられます。会社に来てほしい企業とリモートを続けたい社員、両方にとってのベストな形を模索している企業は多いよう。社員から企業への要望としては「家ではできない作業が可能な大きな作業場」や「家と変わらないくらい落ち着けるワークスペース」、「人とのコミュニケーションがはかれる休憩室」などがよく挙げられているようです。

今回は、数多くの企業に心地よいオフィスの提案を行なうライオン事務器の皆さんに、ショールームを見学させていただきながら現在のオフィストレンドについて聞きました。

オフィスのここが変わった!(1)オフィスに人が集まる機会が少なくなった

働き方の見直しやソーシャルディスタンスの影響で、意識して機会を作らないと社員同士のコミュニケーションも少なくなりがち。また、従来型のオフィスレイアウトでは、せっかく導入した柔軟な働き方が期待する効果を生んでいないケースも多く見られました。

最近のトレンド:

これまで主流だった整然としたレイアウトを採用する企業は少なくなり、導線や高さに変化を付けた動きのあるレイアウトが人気に。スツールの高さなどもその日の気分や体調に合わせて自由に選べるよう、高さの違ったさまざまな椅子を採用する企業も多いそうです。インフォーマルなコミュニケーションをより促進すべく、導線をあえてくねらせて交流を促すレイアウトも増えました。

2人なら対面、3人なら角を使って円座のようになど、人数にあわせて都度自由な形で使えます
脚が内側にセットバックされていて機能的なテーブル

あえて大型家具を採用する場合も、オフィス家具ならではの工夫が施されたものを選ぶ企業が多くなっているそう。こちらの大型木製テーブルは脚部分をセットバックすることで、「机の脚と脚の間におさまる数しか椅子を並べることができないため決まった人数しか座れない」などのオフィスにありがちな問題を解決。複数人が座っても足がぶつかりにくいのはもちろん、自由に椅子を並べられるので人数の変動にも対応できます。

オフィスのここが変わった!(2)オフィスを縮小する企業が増加

リモートでの働き方が定着するにつれオフィスに一度に集まる人数が以前より少なくなった結果、これまでよりも「コンパクトなオフィス作り」の要望が増えてきているそう。以前よりも狭いスペースで、居心地の良さと収容人数を担保すること、そして多様な使い方に応えられる可変性が課題です。

最近のトレンド:

集まる人数に合わせて都度レイアウトを変更できる可変レイアウトが主流に。これにともない、オフィス家具もコンパクトで簡単にレイアウト変更が可能なものの需要が高まっています。組み合わせ可能な1人用の小型デスクなど、軽量で機動性のある家具が特に人気です。

また、レイアウトを変更する際、電源位置を気にしなくて済むよう大容量のモバイルバッテリーを導入する企業も増えています。

机を繋げても隙間ができないつくり

こちらのデスクは、複数台の机を組み合わせた時に脚部分が当たって隙間ができることを避けるため、脚がぶつかり合わないようデザインされています。グループワークなどが必要な場合は、机を組み合わせることで大型テーブル化も可能。また、スカートで着席する際も前方からの視線を気にしなくていいようにと前面にパネルが付いているのも、嬉しい工夫です。

好きな場所に持ち運べるポータブルバッテリー

電源タップ問題はオフィスリノベーションの課題。それを一気に解決するのがポータブルバッテリーです。自由に持ち運べるため電源位置に縛られずレイアウト変更が可能ですし、MacBookなら2回分を充電できる大容量。防水仕様でランタンとしても使用できるので、災害時の防災用品としても役立ちます。非常時の備えとして導入するのもおすすめです。

オフィスのここが変わった!(3)リモート活性化により、緩急をつけた働き方が認められる環境に

リモートの定着は、「社員のオフィス離れ」問題を生みました。しかし一方で、オフィスの「働きやすさ」も認識されるようになりました。オフィスでしかできない仕事が明確化してきたのも事実。今のオフィスには、「自宅同様の居心地の良さ」と「オフィスならではの便利さ」の両立が求められます。

また、個々のペースで「リラックスする時間」と「集中する時間」を選び取る、緩急をつけた働き方の拡大も、ここ数年で起こった大きな変化のひとつです。

最近のトレンド:

キーワードは「オフィスのリビング化」。布地で柔らかさやカジュアル感を演出したり、従来よりも低い家具の導入など目線の高さを変えることでリズムや遊び心を持たせるインテリアが流行。インテリアはよりカジュアルな方向へと向かっています。

また、共有スペースのライブラリー化もトレンドに。「会社でしかできないこと」、例えば大きな図面を広げられるスペースや、持ち運ぶには重たい図書の閲覧、さらに同僚との交流などが出社理由として多く挙げられていることから、リラックスした状態で交流できる居心地の良い空間や、会話や資料から得た刺激をそのまま作業スペースへと繋げられる機能的な導線などが重要視されるようになりました。

圧迫感の少ない本棚で、抜け感を出しつつ緩いゾーニングを可能としたライブラリースペースです。背板部のあり・なしは自由に選択できるため、見せたくない部分にのみ目隠しをしてさりげなく遮断することも可能。

機能性とデザイン性を兼ね備えたつくり

背板付きの裏面はマガジンラックになっているので、背面が見えても「裏側」感がありません。オープンスペース化が拡大している影響で、裏面まで化粧が施されているオフィス家具も増えているようです。

こちらはオフィス内にまるでキャンプスペースのようなリラックス空間を導入した例。コミュニケーションスペースとしてだけでなく、気分転換を行えるワークスペースとしても好評なんだそう。

ロースタイルに視点を変えることによって見え方や感じ方に変化が起こり、新たな思考が生まれることもありそうですね。空間をゆるっとゾーニングできるパーテーションはとても軽量で、片手でも簡単に移動できます。

これまで使用していたオフィスの出社人数が減ったことによりスペースに空きができてしまい、その活用方法に悩む企業も増えているそうです。空いたスペースを無駄にせず有効に使う方法について相談する声は、オフィスバコにも数多く届いています。

オフィスへのニーズとしては「家でできないこと」=コミュニケーションの活性化がフォーカスされがちですが、それと同時に、自宅以上に集中できる場所や機密が守られる場所としての需要も高いもの。集中ブースの導入は、単純な空きスペース活用に止まらず、業務効率の向上や社員の満足度アップにも繋がっているのです。

こちらのブースは横幅2200×奥行き1200×高さ2400サイズのもの。天井高が2500ミリ取れれば設置が可能なんだそう。中に入るとちょうど良い距離感で、意外にも密室感はあまり感じません。2人で使用できるタイプのものであれば1on1やオンライン面接など、さまざまな場面に役立ちそうです。

外からも使用状況がわかるように正面側を透明パネル仕様にしているほか、2人用モデルについては、窓側に設置する際に外の景色を感じられるよう、奥側の壁も透明パネルを標準仕様としています。

集中して作業やミーティングを行いたい時はデスクやブースなど集中できる場所へ、少しリラックスして発想を膨らませる時間を持ちたいときはキャンプスペースやライブラリーへ。その時々の自身に適した場所を選べるのも、オフィスならではのメリットではないでしょうか。

番外編

これまでご紹介してきた以外にも、ショールーム内には気になるオフィス設備や家具がたくさんありました。

照射範囲のさまざまな細菌に対し、除菌・不活化・抑制が実証されているというこちらの除菌LED照明はライオン事務器のイチオシ。来社するお客様へのおもてなしやブランディングの一環として、来客を迎える会議室や受付などに採用する企業が多いそうです。

一般的な照明に比べると少し割高かもしれませんが、働く社員の安心感や会社のイメージアップにも繋がりそうです。

こちらのオフィスチェアー「ライド」は一見普通のオフィスチェアーに見えるかもしれませんが、いちど座ってみればすぐに違いが実感できます。

机の奥に置かれたキーボードを使用するため知らず知らず前屈みの姿勢になり、いつのまにか背中が椅子の背もたれから離れてしまっていることはありませんか? このライドは体の重心位置に合わせてシート部分が前後に5度ずつ傾く「スイングスライド機構」を搭載しているため、前屈みになっても常に腰部分がサポートされるんです! また、リラックスするために後ろに思い切りもたれる時も、座面ごと前後に動くので腰は楽な姿勢を保ったまま。自然とふくらはぎに力が入るため血行改善の効果も期待できるそうです。

取材時にお試しで座らせていただいた際、あまりの座り心地の良さにゆらゆらと揺れ続けてしまいました。「ロッキングチェアーのよう」と表現されていましたが、その言葉に偽りなし。最近ではエンジニアを多く抱える企業様に採用されたそうです。日々、長くパソコンに向かうデスクワーカーにオススメしたいオフィスチェアーです。

まとめ

今回はオフィス家具や什器を通してオフィスのあり方を考えてみましたが、働き方のルールや仕組み、オフィスデザイン、オフィス家具がそれぞれ補完し合って、働きやすいオフィスが実現できることが改めて感じられました。

「新たなオフィスの在り方」とは言うものの、具体的にどんなオフィスが求められているのかわからない経営者の方々、課題を解決するためのデザインや家具選びに悩んでいる担当者の方々も多いと思います。オフィスバコでは何から始めていいのかわからない企業様に対しても、目的の整理からお話を伺っています。予算などもあわせて、お気軽にお問い合わせください。

取材・文/松永麗美 

取材協力:株式会社ライオン事務器

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