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オフィスのセキュリティを強化するには?対策と注意点を解説

2017年に改正された個人情報保護法により、企業も、オフィスのセキュリティ強化への配慮がより必要となりました。重要書類、お客様情報や社員情報、会議内容など、外部に流出してしまうと大問題になりかねません。

しかしながら、オフィスのセキュリティ対策は費用に対して、どれだけの効果があるのか分かりにくいと感じる方も多いようです。本記事では、オフィスセキュリティの強化対策やその注意点、ゾーンセキュリティ、セキュリティアイテムなどを紹介します。

オフィスのセキュリティ対策と注意点

(画像:写真AC https://www.photo-ac.com/

オフィスのセキュリティ対策

情報セキュリティに対しての危機管理をきちんと行なっている企業であっても、それ以外のセキュリティ対策については不足しているような場合も、多々あります。

2018年度のJNSA(NPO日本ネットワークセキュリティ協会)が行なった「情報セキュリティインシデントに関する調査結果」によると、情報漏洩の原因は「紛失・置き忘れ」が最も多くなっています。

このことから、特にフリーアドレス制を導入している企業の場合は、ノートパソコンを置きっぱなしにしてしまったり、ロックをかけ忘れてしまったりといったセキュリティリスクについて、社員へのリスク周知を徹底することが重要だと言えるでしょう。

しかし、社員のミスを完全に無くすことは不可能です。そのため、情報媒体紛失への注意喚起を行うと同時に、万が一紛失してしまった場合の悪用防止対策についても講じておく必要があります。

具体的な方法としては、

  • 情報の利用者と責任者をはっきりさせておく
  • 機密資料をオフィス内のどこに保管してあるかを明確にしておく
  • 保管場所がデータベース上ならURL、技術担当者が誰かなどの情報をわかるようにしておく

などが挙げられます。

オフィスのセキュリティ対策は、「外部からの侵入リスクを防ぐこと」、「内部からの持ち出しに注意すること」が基本ですので、入退室管理の見直しも情報漏洩を防ぐために有効です。

オフィスのセキュリティと法律

内部の人間が機密情報を社外へ流出させてしまった場合、また外部の者が情報を盗んだ場合は、法律で罰せられます。

代表的な法律としては、以下のものがあります。

  • 個人情報保護法
  • 不正競争防止法
  • 不正アクセス禁止法

よく耳にすることも多い「個人情報保護法」は、氏名や住所などの個人を特定できる情報に対する法律で、個人情報を利用する際の適切な保護を定めたものです。

不正競争防止法は、業務で必要な社外秘資料など、機密管理が必要な情報を保護するための法律です。不正アクセス禁止法は、他人のIDやパスワードを無断使用を禁じる法律です。

オフィスのセキュリティ導入手順

オフィスセキュリティを導入する手順について、簡単にまとめます。

  • ゾーンセキュリティの選定
  • 各ゾーンでセキュリティ対象となるものの確認
  • セキュリティ対策製品の検討
  • 各システムの見積り
  • 費用対効果の検討
  • セキュリティシステム工事の実施
  • セキュリティ運用開始

ゾーンセキュリティを取り入れる

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ゾーンセキュリティの考え方

ゾーンセキュリティとは、セキュリティレベル別に、セキュリティ内容を設定することです。

例えば、訪問客の多いエントランスや廊下などは誰もが入れるように、社員が業務を行う執務スペースなどは社員以外が入れないよう区分けしていきます。

ゾーンセキュリティの設定

具体例として、以下をご参照ください。

  • 第1ゾーン:エントランス、エレベーター、廊下など
  • 第2ゾーン:受付、打ち合わせスペースなど
  • 第3ゾーン:オフィス内の執務スペースなど
  • 第4ゾーン:サーバールーム、金庫室など

誰もが入れるエントランスなどを第1ゾーン、金庫や情報の要となるサーバールームは第4ゾーンとするなど、セキュリティリスクに応じて警戒レベルが上がる設定です。

ゾーンごとのセキュリティレベルに応じたセキュリティ機器の導入を検討しましょう。

セキュリティ機器と対応

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セキュリティ機器

続いて、セキュリティ機器にはどのようなものがあるかを紹介します。

・監視カメラ

人の出入りがある場所に設置されるもので、正面玄関、エントランス、エレベータ、夜間休日通用口、駐車場などへの設置が一般的です。不審者の監視や、許可のない人間の立ち入りを防止する効果があります。

・カードタイプ電気錠

カードタイプの電気錠は暗証番号を使わず入退室が可能で、誰がいつ出入りしたかの記録も自動でできる便利な機材です。多くの人が出入りするゾーンでの使用に適しています。

・暗証番号タイプ錠

暗証番号を入力して解錠するタイプのセキュリティ錠は、特定の人しか入らない部屋での使用に向いています。鍵やカードで開けるタイプと違い、物質的な紛失リスクを減らせるところもポイントです。

・キャビネット認証システム

重要書類を保管するキャビネットも、常時施錠しておくことが望ましいです。認証システムを取り入れることで、セキュリティを高められます。

・金庫

金庫は機密ゾーンなどに置き、社内の最重要情報を保管しましょう。ダイヤル、テンキータイプなどのほか、最近では静脈認証を使用したより安全性の高いタイプも出ています。

その他セキュリティシステム

上記で紹介した機器や方法以外にも、社外の人間に資料やパソコン画面に映った機密情報などを見せないよう、執務スペースにパーテーションなどを置き目隠しする方法や、会議室からの音が漏れ聞こえないよう吸音パネルや吸音タイルなどの吸音素材によって防音対策を施すことも、セキュリティ対策としては有効です。

セキュリティを重視したオフィスを選ぶ

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オフィスが入居しているビルのセキュリティレベルを確認

自社オフィスの対策は万全でも、オフィスが入居するビル自体のセキュリティ体制はどうでしょうか。以下を確認してみてください。

  • エントランスなどビルの共用部に、常駐の警備員がいるか
  • 監視カメラやセンサー、セキュリティゲートなど機械警備の設置範囲
  • ビルそのものへの入退室セキュリティを追加することは可能か

常駐警備の場合は立哨や巡回があるか、監視カメラは不審者対策として機能しているか、フロアに入る際の必要なセキュリティ体制がとられているか、細かくチェックしておきましょう。

周辺環境もチェック

立地や近隣ビルの業種なども、オフィスセキュリティには関係してきます。

立地については、都心と地方でセキュリティレベルに違いがあります。地方の場合、土日祝日でも正面玄関が開放されたままなこともありますが、都心の場合は、夜間休日は専用の扉からの出入りがほとんどです。自身のオフィスがある場所の立地にあわせたセキュリティを選ぶことが重要です。

また、オフィス近隣に人が頻繁に集まる集会やセミナーなどで不特定多数の人間の出入りがある施設がある場合は、より注意が必要。万全のセキュリティ対策を行いましょう。

セキュリティ面もあらかじめ考慮したオフィス改装を

企業の資産やデータ、そして社員を守るために、オフィスセキュリティはとても重要です。

セキュリティ機器は大規模な工事を行わず導入できるものもあり、セキュリティ事故を未然に防ぐためにも費用対効果の高い対策です。また、万が一事故が起きた場合に、すぐに契約しているセキュリティ会社や警察に相談できる環境も重要でしょう。

オフィスセキュリティの適切な対策を講じるためにも、総合的な対応が可能なオフィスの専門家に相談するのが有効です。

私たちオフィスバコは、オフィス改装に際して設計・施工会社をご紹介するのみならず、セキュリティ対策も含めたICTなどについても、ご要望を伺いながら対応することが可能です。まずはお電話あるいはお問い合わせフォームから、気軽にお申し込みください。

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