ノウハウ

仕事の椅子は、正しい姿勢を保ちやすく、背中にフィットしやすいものに

“「良い」姿勢で座ることが大切”。それは皆さんご存知だと思います。
でも、仕事に集中しているとき、気づくと猫背になっていることも……。自分で気を付けることはもちろん大切ですが、椅子の座り方、選び方で大きく改善するかもしれません。

正しい座り方とは何か、そして正しい姿勢を保ちやすい椅子とはどんなものかをご紹介していきます。

左から、正しい姿勢、猫背、反り腰

良い姿勢と悪い姿勢とは?悪い姿勢がもたらす弊害は?

悪い姿勢といわれている猫背や反り腰。それらはなぜ体に負担をかけるのでしょうか。

正しい姿勢を保つと、背骨がS字のカーブを描きます。
背骨(解剖学的には脊柱(せきちゅう)と呼びます)は、首の骨の「頸椎(けいつい)」その下の「胸椎(きょうつい)」、腰の骨「腰椎(ようつい)」、骨盤とつながる「仙骨(せんこつ)」「尾骨(びこつ)」の5カ所で成り立っていて、頸椎から腰椎まではそれぞれ複数の骨で構成されています。

頸椎と腰椎は前にカーブした形、胸椎は後ろにカーブした形が正しく、横から見るとS字になるというわけです。
体重の10%を占めるといわれている頭の重さを効果的に支えるために、この「S字カーブ」は極めて重要で、これが崩れると肩こりや腰痛を引き起こす原因となってしまうため、猫背や反り腰は「悪い姿勢」と言われるのです。

S字カーブの大切さは、立っている時だけではありません。デスクワークや前傾姿勢の仕事が続くと陥りやすい、首=頸椎の湾曲が失われる「ストレートネック」は、筋肉に大きな負担をかけて緊張に繋がり、首の痛みだけでなく肩こりや頭痛、浅い呼吸などさまざまな身体の不調をもたらします。

働く座り方テクニック

今の社会環境の中、働いている時間と家での時間を合わせると、1日12時間座っている方も珍しくありません。デスクワーカーが感じている症状は、肩こりが約80%、腰痛は約50%の確率にのぼるそうです。また、女性は肩こり、男性は腰痛を持っている人が多いのも特徴とのこと。

正しい座り姿勢をとるために、以下のことに気をつけましょう。

  • 自分の良い姿勢を保てるよう、椅子をデスクの高さに合わせる
  • 目線はできるだけ上げる。ディスプレイの高さが低い場合は下に台を置くなどして調整
    ※ノートパソコンの場合、台の上にあげることでキーボード位置も高くなってしまう場合は外づけキーボードを使用する工夫を
  • 膝の角度、腰の角度を90度に、肘の角度を95度~100度に保つ
  • 足を地面につける。浮いてしまう場合は足置きを置く
  • お尻は深くかけて、背もたれに当てる
  • 奥まで届かない場合は腰当てを使用する
  • キーボードの手前に書類は置かない

試してみると、自然と姿勢が正しく保たれているのを実感できるでしょう。

座りやすく疲れにくいワークチェアとは?

デスクワークで使用する椅子は、前傾姿勢になりがちな座り姿勢を、上記の正しい座り方にできるよう、サポートしてくれる椅子が望ましいです。ここでは4つのポイントをご紹介します。

1.背もたれ

適度な広さがあり、背中を包み込むようにカーブを描いているものがおすすめです。
また、背もたれの高さは、肩甲骨の外側まで支えることのできるものを選択すると、体重を分散できて、腰の筋肉疲労を軽減できます。

実際に座ってみて、骨盤が後ろに傾いて猫背になってしまわないか、上体が安定するか、背中をしっかり支えてくれるかを確認しましょう。

2.調整機能

自分の最適な姿勢を保つために、下記の調節機能を確認しましょう。必ずしもすべてを充たす必要はありませんが、自分が気になるところを調節して快適に設定できるかどうかをチェックしてください。

① 座面高さ調節

② ロッキング角度調整:背もたれのロッキング角度を調節する機能。通常、座面と連動しています。

画像は https://kagu.plus.co.jp/より引⽤

③ 背もたれスプリング調整:背もたれのリクライニングに必要な力の強さを調節する機能

④ 座面奥行き調整:座面を前後に動かすことで、どのような体型の方でも正しい姿勢をとれるようにする機能

画像は https://kagu.plus.co.jp/より引⽤

3.肘置き
休憩するとき用と思いがちですが、仕事をしているときは意外とパソコンの画面を見ながら考えたり、資料を読んだりする時間もあるものです。そうした時に肘置きがあると、キーボード操作で疲れた腕の筋肉を休めることができ、身体への負担を軽減できます。

4.座面の放熱性
座面の素材によっては、長く座っていると熱がこもり、蒸れや不快感の原因になることがあります。座面の素材・形状は熱がこもらないものを使用すると、長時間の仕事や不特定多数が座る環境でも快適に過ごせます。

ワークチェアを選ぶ際はぜひ実際に座ってみて、正しい座り方を意識したとき、自然に腰や膝、肘が正しい角度に保てるか、背もたれにきちんともたれることができ、S字カーブを維持できているかを確認しましょう。

ハーマンミラー社 アーロン リマスタード(Size B)は身体に合わせて細かに調整ができる
画像はhttps://store.hermanmiller.co.jp/より引用
KEILHAUER(キールハワー)社 KH-69は「骨盤バランスポイント」技術が採用され、ホワイトハウスでも採用されている。エグゼクティブ向けのオフィスチェア
画像は https://kagu.plus.co.jp/より引⽤
プラス株式会社のbeneS(ベネス)は背筋のS字カーブを楽に保てるチェア
画像は https://kagu.plus.co.jp/より引⽤

正しい姿勢で座れる、快適で身体に優しい椅子のチョイスも、各社バリエーションの中から、オフィスバコが選定をサポートします。オフィスの雰囲気にも合わせてデザインやカラーをご提案することも可能です。
オフィスやワークスペースの環境改善をお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

※取材協力:プラス株式会社

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