ノウハウインタビュー

アップサイクル製品を積極的に活用。企業のSDGsへの取り組み

前回の「卵の殻を使った壁材でサステナブルなオフィスづくり」に続いて、ここでは多種多様な廃材を使って開発されたアップサイクル製品をみてみましょう。

日本エムテクス株式会社・三浦社長がこれまでSDGsに取り組んできた中で、大きな気づきとなったのが、多くの企業が廃材への課題を抱えていることだったそう。2015年にSDGsが国際的な目標として掲げられると、環境問題への関心が高まりました。企業からの相談も増え、その相談に応えることで様々なアップサイクル製品が生まれました。

ゴミをゴミと捉えない!発想の転換が大事

三浦社長のお話をうかがっていると、生産現場から出る「ゴミ」には実に様々なものがあることに気づかされます。例えば鉛筆工場の製造工程で発生する削りくず、デニムメーカーから出る端材、新聞社から出るシュレッダー済みのクズ、加熱式タバコの吸殻などなど。ここで挙げた「ゴミ」は、実際にアップサイクルされ、新たな価値をもった製品に生まれ変わっています。大事なのは「ゴミをゴミと捉えない発想の転換」なのです。

デニムの端材を素材にしたボード
木くずを素材にしたパネル
シュレッダー済み新聞紙を素材にしたボード

ゴミから生まれたなんて思えない!
おしゃれで機能的な壁材があるんです

実際にアップサイクルされて生まれた製品は数多くありますが、今回ご紹介するのは、「ヌルデニム」「リコルク」「天然スタイル土壁」。オフィスの壁のどこか一面に採用することでアクセントになり、おしゃれな空間を演出してくれます。

ヌルデニム

国内のデニム工場から排出される端材は年間約45000t。その端材を粉砕し、左官材へアップサイクルしたものがNURUDENIMです。魅力はデニム独特の風合いと優れた吸放湿性。接着剤を使用していないのもポイント。古くなったら水をかけ再度練り直すことで左官材としてよみがえります。

ヌルデニム事例:シェアオフィス NAGAYA神田小川町

リコルク

私たちの暮らしにも馴染み深いコルク栓の製造過程で出るコルクのあまりをアップサイクルすることで生まれたリコルク。断熱性・保温性・吸音性などに優れることで知られるコルクの特性が活かされた透湿壁紙です。コルクならではの天然の色合い、そして香り立つような質感と自然な手触りが魅力です。

リコルク事例:ティーブラウンカラーを使用

天然スタイル土壁

天然素材を贅沢にブレンドした内装塗壁材。マヨネーズ工場で廃材として出る卵殻は脱臭・調湿効果があり、調湿効果をもたらすゼオライトを加え、さらに天然角叉(つのまた)海藻を煮て濾した100%天然素材の「つのまた糊」をつなぎ材として配合しています。珪藻土にもこだわり、焼成していない生のものを使用。そして岡山産の炭酸カルシウムで全体の強度を高めています。

天然スタイル土壁事例:丸井 中野

次世代に向けての活動

企業からのアップサイクルの相談が増え、多くの企業が廃材への課題を抱えていることを改めて実感した三浦社長。アップサイクル活動が一企業としての取り組みを超えて社会に広まり、環境へ貢献できるように願い、一般社団法人GOMITAIJIを設立しました。

建材にとどまらず、アップサイクルの取り組みが多くの企業に広まっています。

最近では学生の社会科見学などにも対応しているとのこと。次の世代に向けての活動にも注目です。

日本エムテクス株式会社 三浦社長

ショールームで質感やイメージを体感

アップサイクル製品を実際に見てみたい方はぜひショールームへ。質感やイメージを体感いただけます。

取材協力:日本エムテクス株式会社

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