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現代のオフィスにおいて、ICT(Information and Communication Technology、情報通信技術)はビジネスの効率化と生産性向上のために欠かせない要素です。ICTツールを効果的に活用することで、業務のスピードアップや情報共有の円滑化が図られ、企業全体の競争力を高めることができます。また、オフィスの設計段階で情報インフラの導入計画や設置場所などを十分に検討することで、働きやすいオフィス環境が構築できます。
オフィスでのICTの重要性
業務効率化と生産性向上
ICTの導入により、業務プロセスがデジタル化され、効率的な作業が可能になります。たとえば、クラウドストレージやコラボレーションツールを活用することで、複数のプロジェクトが同時進行し、リアルタイムでの情報共有が容易になります。これにより、無駄な時間や労力を削減し、業務効率が大幅に向上します。
柔軟な働き方の実現
リモートワークやハイブリッドワークが普及する中で、ICTは柔軟な働き方をサポートするためのインフラとして不可欠です。例えば、ビデオ会議システムやオンラインプロジェクト管理ツールを導入することで、場所にとらわれずに業務を遂行することが可能です。これにより、オフィス外での働き方も一層効果的になります。
コミュニケーションの円滑化
ICTツールを活用することで、社内外のコミュニケーションが円滑になります。例えば、チャットツールやビデオ会議システムの導入により、迅速かつ効果的なコミュニケーションが可能です。これにより、業務上のミスや誤解を減らし、プロジェクトの成功率を高めることができます。
ICTを意識したオフィス設計のポイント
インフラの最適化
オフィス設計の初期段階でICTの要件を考慮することは、インフラの最適化に直結します。配線計画、ネットワークの配置、Wi-Fiのカバレッジエリアの設計など、ICTに関連する設備を最初から計画的に配置することで、後々のトラブルを回避できます。
また、せっかく改装した新しいオフィスに機器や配線が剥き出しになっているような残念な状態を避けることができます。
スマートオフィスの実現
ICTを活用したスマートオフィスの実現には、適切な設計が不可欠です。例えば、センサーを活用して会議室やデスクの利用状況をリアルタイムで把握し、効率的に空間を利用する仕組みを導入することで、社員の利便性を向上させることができます。
将来の拡張性の確保
ICTの進化は急速であり、今後も新しい技術が登場することが予想されます。オフィス設計の段階で、将来の技術導入を見据えた拡張性を確保することが重要です。例えば、床下や天井裏に十分なスペースを確保し、新しい配線や設備を導入する余地を残しておくことで、将来的な改装コストを抑えることができます。
ICTを意識したオフィス改装計画の具体的な進め方
改装計画の具体的な進め方や注意点について、オフィスバコで数多くのお客様のオフィス改装計画をサポートしてきたアドバイザーの橋本に聞いてみました。
ICTのことはよくわからないと後回しにしがちですが、オフィス空間のデザインと一緒に計画すると、完成した空間の仕上がりがとてもよくなります!
1.全体のICT導入計画立案
まずは、全体の導入計画を立案します。この作業を早期に行うことで、オフィススペースや既存設備を有効に活用する計画が立てられます。
例えば、自社で保有・管理するオンプレミスのサーバーからクラウドサーバーへの移行を検討することで、サーバールームが縮小できれば、コミュニケーションをはかるためのスペースに使うことができます。
また、クラウド電話設備を導入することで、固定電話機が削減でき、従業員が固定デスクに縛られる必要性がなくなります。(「業務効率化と働き方改革を支えるビジネスツール〜クラウドPBX導入の事例と留意点」ご参照)
また、リモートワーク、ハイブリッドワーク、フレックス制度など、自社の働き方に合わせてクラウドストレージやweb会議ツールなどを選定することで、在社率を減らすことができます。従来型の従業員1人にデスク1つではなく、固定席を減らすことができれば、会議室やコミュニケーションスペース、web会議ブースなど、オフィスならではの空間に割り当てられるスペースが増えます。
2.ハードウェア(パソコン、サーバー、デジタルサイネージ、複合機など)の配置計画
ICT導入計画に合わせて、ハードウェアの設置計画構築やセキュリティ対策などを行います。例えば、ノートパソコンは鍵付きの個人ロッカーに収納できるようにしたり、サーバールームのセキュリティ対策、複合機への導線計画などが必要になります。
なお、テナントビルだとハードウェア配置に伴う電源計画にはB工事が絡むケースも多いので要注意です。例えば、サーバーやルーター用の単独電源の用意、サーバールームのエアコン用の空調設備工事、光回線の終端装置の設置場所までの配管工事などはB工事に該当する可能性があります。B工事に区分される工事が含まれる場合、当該工事はビルオーナーの指定する業者に依頼する必要があるので、スケジュールやコストなどを見直す必要が出てくることもあります。
3.設置に伴うハードウェアへの配線計画
ハードウェアの配置計画が決まったら、オフィスのデザインに溶け込むように配線計画も検討しましょう。パソコンは無線にし、サイネージの電源は隠れるように壁面に収めれば、配線が目立たず、オフィス空間がきれいになります。この際、新設する壁面に取り付けるサイネージには耐重量の補強や、LAN/電源/HDMIなどのケーブル類を壁の建て込み時に行う段取りが必要になります。
また、見た目だけでなく、メンテナンスがしやすい配線を意識することも大切です。例えば、UTMやコアスイッチにはたくさんのケーブルが集まるため、メンテナンスやトラブル対応が発生することを想定したスペース確保が必要となります。
4.ICTを活用するための空間設計・設備の導入
導入後の可変性を考慮することも重要です。web会議利用の増加を想定してweb会議用個室ブースを設置することを検討するのも良いでしょう。後から増設すると電源の取り回しやスペース確保で余計なコストが生じたり、消防法への対応が必要なケースがあるので注意しましょう。
また、センサー等を利用した在籍管理、使いやすい会議室予約システムなどソフト面のサポートが、オフィスをより一層使いやすいものにするでしょう。
ICTを考慮しない場合のリスク
業務効率の低下
ICTを十分に考慮しないオフィス設計では、ネットワークの不具合や通信速度の低下が頻発する可能性があります。これにより、業務が滞り、生産性が大きく低下する恐れがあります。
見た目・使い勝手の悪いオフィスに
せっかくオフィスデザインに気を使っても、情報機器の設置や、その後の可変性も考慮して計画を行わないと、見た目も、使い勝手も悪いオフィスになってしまう可能性があります。
柔軟な働き方の阻害
リモートワークやハイブリッドワークに対応できないオフィスは、社員の働き方の多様化を阻害します。ICTインフラが整っていないと、リモートでの業務遂行が難しくなり、社員の満足度や企業の競争力にも悪影響を及ぼす可能性があります。
コストの増大
オフィス設計段階でICTを考慮しない場合、後から必要な設備を追加するためのコストが増大します。特に、配線やネットワークの再設計は、工事が複雑で高額になることが多いため、初期段階での計画が重要です。
また、設備の追加などがなくても、年度ごとの組織異動のたびに、LANケーブルや電話線の配線工事を含む大幅なレイアウト変更作業が発生してコストがかかる可能性があります。
まとめ
ICTの活用は業務効率の向上や柔軟な働き方の実現をサポートし、将来の技術進化にも対応できるオフィスを構築します。逆に、ICTを考慮しないオフィス設計は、業務効率の低下やコスト増大といったリスクを伴います。
オフィス改装を検討する際には、ICTを念頭に置いて設計することで、心地よく、働きやすいオフィスを実現しましょう。
ICTの重要性は理解したが、何から始めたら良いか、どういう順番で決めていけば良いかわからないという声を数多くいただきます。
・何からどういう順番で進めれば良いのか
・予算はどのくらいかかるのか
・予算内で取捨選択し、何を優先すべきか
・自分たちのニーズを汲み取ってくれる信頼できる事業者は誰なのか
・デザイン、什器や家具、ICTなど、得意な専門家が異なるため、調整が難しい
など…。
オフィスバコの共同運営者株式会社CBCビップスは、生活総合商社として、数多くの会社と一緒に社内ネットワーク構築やICT改善の提案を行っており、お客様のニーズにあったICT改善提案を行うことができます。
また。オフィスバコには、それぞれの分野の専門家が集まっているので、オフィス改装のご相談から、設計・施工会社のご紹介、ICTや設備・什器まで、一貫してサポートすることができるだけでなく、専門家間の調整や、予算配分なども、お客様に寄り添って中立的な立場から相談に乗ることができます。
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