ノウハウ

小規模オフィスのレイアウト設計のポイント

小さくても居心地の良いオフィスをつくるためには、限られたスペースを有効に活用する一方で、詰め込みすぎないための柔軟性・可変性や、狭さを感じないための視線の抜けなど、様々な工夫が必要です。逆に言えば、居心地が良く、使い勝手が良い小規模オフィスには、デザインの工夫が詰まっています。

以下では、おしゃれで機能的な小規模オフィス(スモールオフィス)のレイアウトを設計する際のポイントについて、実例を見ながら解説します。

スペースを最大限活用

 オフィスに合った家具の選定

小規模オフィスでは、デッドスペースが生まれがちな大型家具を避け、スペースを有効に活用できるコンパクトな家具を選ぶことが重要です。例えば、収納付きデスクや折りたたみ可能なチェアを採用することで、限られたスペースを効率的に使うことができます。また、家具同士がスッキリ納まるように検討しておくことも重要です。

多機能なスペースの設計

一つのエリアを複数の目的で使用できるように設計することでスペースが有効活用できます。例えば、ミーティングスペースを作業スペースとして利用したり、通路を打ち合わせスペースとして活用できるようにするなどのレイアウトの工夫で、小さくても多機能な空間になります。

振り向けばサッと話せるのでスムーズなコミュニケーションが可能。すぐ近くにホワイトボードがあるもの便利:株式会社ファインシード
勤務時の様子(株式会社ファインシード様)
食堂だけではなくセミナースペースとしても利用できる多目的な空間:アイジーエバース株式会社
食堂兼多目的スペース(アイジーエヴァース株式会社様)

縦の空間の利用

小規模オフィスでは、縦の空間を活用することも重要です。例えば、壁に棚を設置して書類や備品を収納することで、床のスペースを広く使うことができます。また、収納の多層化により、オフィス全体の整理整頓がしやすくなります。

フレキシビリティの確保

モジュール式家具の導入

モジュール式の家具は、必要に応じてレイアウトを変更できるため、オフィスの成長や業務内容の変化に柔軟に対応できます。これにより、スペースの有効利用とともに、社員の働きやすさを向上させることができます。

 可動式パーティションの活用

オフィス内の空間を仕切る際には、固定された壁ではなく、可動式パーティションを利用することで、レイアウトの変更が容易になります。これにより、必要に応じてプライバシーを確保したり、オープンスペースにしたりと、スペースの使い方を変更する場合でも柔軟に対応できます。

モジュール式家具を使って間仕切りとした書棚。
引用元:「2023年オフィス改装はこう変わる!現場を知るプロに聞いた最新オフィストレンド

快適な作業環境の創造

照明計画と自然光の活用

明るく快適な作業環境を作るためには、照明計画が重要です。自然光を最大限に取り入れつつ、タスク照明を効果的に配置することで、目の疲れを軽減し、作業効率を高めることができます。また、調光可能な照明を導入すれば、時間帯や作業内容に応じて最適な明るさを調整することができます。

視線の抜け感

スペースが限られる場合は、区切りすぎるとそれぞれの空間が狭く、閉塞感を感じてしまいます。緩やかに区切ったり、透明ガラスのパーテーションで視線の抜けを作ることで広く感じられるだけでなく、一体感を感じることができます。

抜け感のあるオフィス空間:株式会社ブルーテック様
ガラスのパーテーションを採用したことで一体感のある広々した空間に。
引用元「エントランスとパーテーションの工事

音の配慮

小規模オフィスでは、音が響きやすいため、防音対策が重要です。吸音パネルを設置することで、会話や電話の音が他の社員の作業を妨げることを防げます。また、集中が必要なエリアとコミュニケーションが活発なエリアを区別することで、音の干渉を最小限に抑えることができます。

吸音パネルで緩やかに仕切ったコニカミノルタジャパン株式会社のミーティングスペース。
引用元「対談:コロナ後のオフィスのあり方(前編)

ICTの導入とデジタル化

ハイブリッドワークが可能な環境整備

全ての従業員がオフィスに来る必要がないように、社員がリモートワークを行なっても効率的に業務が進められるようなコミュニケーションシステムを整えることで、オフィススペースに余裕が生まれます。

ワイヤレス環境の整備

小規模オフィスでは、配線がスペースを圧迫しないよう、ワイヤレスのネットワークやデバイスを導入することが効果的です。これにより、ケーブルの乱雑さを避け、清潔で整理されたオフィス環境を維持できます。

クラウドストレージの活用

ペーパーレス化を進めるために、クラウドストレージを導入することで、物理的な書類保管スペースを削減し、スペースの有効利用が可能になります。また、クラウド上でのファイル共有により、リモートワークとの連携もスムーズになります。

社員のコミュニケーション促進

オープンスペースの確保

小規模オフィスでも、社員同士のコミュニケーションを促進するために、オープンスペースを設けることが大切です。リラックスできるエリアを作ることで、自然なコミュニケーションが生まれ、チームワークが向上します。

コラボレーションエリアの設置

プロジェクトやチームミーティングが頻繁に行われる場合、専用のコラボレーションエリアを設けることが効果的です。会議室を設けるスペースがなくても、壁面にホワイトボードやディスプレイを配置することで、効果的なブレインストーミングや情報共有をサポートする「場」が生まれます。

壁面にホワイトボードを設置することで、コミュニケーションの場が生まれます。
引用元:「参考壁面ホワイトボードを活用したオフィスコミュニケーション活性化

まとめ

小規模オフィスのレイアウト設計では、限られたスペースを最大限に活用し、快適で効率的な作業環境を作り上げる工夫が必要になります。

オフィスバコには、様々な分野の専門家が登録しているので、デザインやレイアウト、オフィス家具・什器の選定まで、小規模オフィスの計画を一貫してサポートすることができるだけでなく、専門家間の調整や、予算配分なども、お客様に寄り添って中立的な立場から相談に乗ることができます。

お気軽にお問い合わせください。

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