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オフィス改装Q&A15選 ― よくある疑問にプロがアドバイス

オフィス改装は、単なる模様替えではありません。未来の働き方をデザインし、企業の成長を加速させるための戦略的な投資です。

オフィス改装は、会社にとって大きな投資であり、働く人にとって日々の環境を変える大切なプロジェクトです。けれども、「どこから手をつければいいのか」「費用はどれくらいかかるのか」といった疑問がつきもの。そこで今回は、オフィス改装を検討する企業からよく寄せられる質問をまとめました。

Q1. オフィス改装をする目的にはどのようなものがありますか?

A1. 主な目的としては、以下が挙げられます

・社員同士のコミュニケーション活性化
・業務効率の向上(レイアウト最適化・動線改善など)
・ブランディング・会社イメージの向上 (顧客からの信頼度向上・採用強化など)
・快適性・働きやすさの向上(集中できるスペース、休憩スペースなど)

Q2. オフィス改装の費用相場はどれくらいですか?

A2. 規模・仕様・素材などによって大きく異なりますが、目安として以下を参考にしてください

坪単価(1坪あたりの費用)で 10〜30万円/坪 程度が一般的な内装工事のレンジと言われます。実際には工事範囲・内容、物件の状態、素材のグレードなどによって大きく異なりますので、お問合せください。
・小規模(10〜20 坪):50万円〜200万円程度
・中規模(30〜50 坪):200万円〜500万円程度
・大規模(100 坪以上):500万円〜数千万円規模になることも

Q3. オフィス改装の範囲を決める際、何を確認すべきですか?

A3. 改装範囲を決める前にチェックすべき事項は

・賃貸なら「専有部分」と「共用部分」の区分について賃貸契約書などで確認しましょう。共用部分は改装できないことが多いので要注意です
・専有部分だからといって自由にリノベーションできるわけではありません。手がけたいリノベーションの工事区分(A工事・B工事・C工事)を確認しましょう
・建築基準法・消防法・労働安全衛生法などの法令・条例にかかわる規制を確認しましょう。用途変更や間仕切り・避難経路など。
・原状回復義務(借りた時の状態に戻す義務)の有無とその内容。入居時の状態への回復が契約で義務付けられていることがあります

(参考)オフィス改装時にまず最初にチェックしたい工事区分〜B工事とC工事の違いに注意

Q4. 改装中に業務をどう継続すればよいでしょうか?

A4. 業務への影響を抑えるための方法には次のようなものがあります

・テレワーク(在宅勤務)の推進
・仮のオフィス・レンタルオフィス・シェアオフィスを一時的に使用
・工事を業務に影響のない時間帯(夜間・休日)に集中させる
・工事を段階的に行う。スペースを分けて、一部ずつ施工する

(参考)オフィス改装の事業への影響を最小限に抑えるポイント

Q5. 業者選びではどんな点を重視すべきですか?

A5. 以下のポイントを確認してから業者を選ぶとよいでしょう

・過去の改装実績。似たコンセプトの施工事例があるか
・法令・条例に詳しく、届出や許認可を含め対応できるか
・見積もりが明瞭で、工事範囲・仕様・スケジュールが詳細に書かれているか
・コストと品質のバランス。素材や仕上げの質・耐久性など
・コミュニケーション力(担当者の対応の速さや丁寧さ、こちらの要望をしっかりヒアリングしてくれるか、質問に対して真摯に丁寧に答えてくれるか)

(参考)教えて!橋本さん。オフィス改装を依頼する事業者の選び方

Q6. コストを抑える工夫にはどのようなものがありますか?

A6. コストを抑える手段として、以下のような方法を検討してみましょう

・既存設備を活用する
・居抜き物件を利用する (以前のテナントの内装や設備をそのまま活用することで、内装工事費を大幅に削減できます)
・既製品・安価な素材を活用する
・補助金・助成金制度の活用(省エネ・働きやすさ改善系の制度があります)

(参考)オフィス改装の費用を抑える工夫とは

Q7. 改装スケジュールの立て方で注意することは?

A7. スケジュールを立てる際のポイント

・現状調査 → 設計 → 見積もり → 発注 → 工事 → 引き渡し の流れを明確にする
・手がけたいリノベーションの工事区分(A工事・B工事・C工事)を確認する
・手戻りが起こらないように業者間の調整を行う(内装、電気、ネットワーク、ITインフラ、空調、防災、ビル管理会社等、さまざまな関係者との調整)
・工事中の業務影響を考慮し、夜間または休日工事の活用を検討する
・予備日を設ける。不測の事態(素材の遅延・天候・追加工事など)に備える

(参考)[完全版]オフィス移転の段取り&スケジュール
-タイミングごとのやること・フローが解る!チェックリスト付き-

Q8. レイアウトや動線設計で重要なポイントは何ですか?

A8. オフィス改装の目的によりますが、以下のポイントに気をつけましょう

・通路は広めに確保し、安全性と行き来のしやすさを重視する
・部署間のコミュニケーションのしやすさを考えたゾーニング(目的別にエリアを区切ること)。ミーティングスペースや休憩スペースの配置も動線に影響します。
・プライバシー・集中スペースの確保(会議室・個室・集中ブースなど)

(参考)小規模オフィスのレイアウト設計のポイント

Q9. 法令・規制で特に注意すべきものは?

A9. 改装時に留意すべき法律・規制には以下のようなものがあります

・消防法:避難経路、防火区画、スプリンクラー、火災報知器の設置など
・建築基準法:用途変更や構造を変える工事が該当する場合
・労働安全衛生法:工事中・使用中の安全性、換気・照明・騒音・照度など
・契約法務:賃貸契約における原状回復義務や改装許可の範囲

Q10. 改装後、オフィスをどう運用・定着させればいいですか?

A10. 改装はあくまでスタート。従業員の方々に活用してもらえるよう、以下の点を意識しましょう。

・オフィス改装の目的を従業員にしっかり伝える
・新しいレイアウト・利用ルールを明確にし、従業員に説明する
・フィードバック機会を設けたり、アンケートを実施し、使い勝手を確認し改善する(例えば、改装後1ヶ月後、3ヶ月後など定期的なアンケート実施やヒアリングするなど)
・社内文化(コミュニケーションの仕方・空間の使い方など)が新しいオフィスに合うよう調整する

Q11. オフィス改装によって、労働環境・従業員満足度アップにどのような効果が期待できますか?

A11. オフィス改装を通じて、以下のような効果が期待できます

・コミュニケーション不足や働きにくさの改善。休憩スペースやオープンスペースの導入で交流が増える
・集中力の向上・ストレス低減。プライバシーや静かなエリアの確保がポイント
・ブランディング・採用力の向上。魅力的なオフィスは外部からの印象が良くなり、新規人材獲得につながる可能性

Q12. 素材・設備の選び方で重視すべきことは何ですか?

A12. 素材・設備選定の際のポイント

・耐久性・メンテナンス性。繰り返し使える・掃除しやすいなど
・見た目とコストのバランス。天然素材 vs 擬似素材
・環境配慮や省エネ性能。LED照明・高効率空調など
・安全性・法令適合性。防火性能、耐震性など

Q13. 補助金や助成金制度は活用できますか?

A13. はい、活用できる様々な制度があります

例えば…
・働きやすさ向上補助金(防音・バリアフリー等の改善)
・CO2削減設備導入等の助成制度(ゼロエミ改修助成など)
・各自治体が出しているオフィス改善系・リノベーション系の補助金をチェックしましょう

(参考)知らなきゃ損。オフィス改装時にも使える補助金・助成金(2025年更新)

(参考)【2025年最新】ハイブリッドワークや時短勤務に活用できる補助金・助成金まとめ

Q14. 改装事例から学べる成功/失敗のポイントは?

A14. 成功/失敗のポイントとしてよく指摘されることとして以下のようなものがあります(実際に多くの企業が経験した成功・失敗事例から、共通するポイントが見えてきます)

・成功例で共通していること:目的を明確にし、それを設計・仕様に反映している。改装の意図が従業員へ伝わっている。法令や安全性をクリアしている。工事期間を適切にマネジメントして業務への影響を最小限にしている

・失敗しがちなこと:予算オーバー・スケジュール遅延。素材の選定ミス(見た目重視で耐久性が低いなど)。業者との仕様のすり合わせ不十分。改装後ルールが定着しない

Q15. 改装の最終チェック項目には何がありますか?

A15. 引き渡し前には以下のようなポイントをチェックしましょう

・契約内容・仕様書通りに施工されているか(色・素材・照明など)
・電気・空調・換気・照明が正しく動作するか。スイッチ類・コンセントなども漏れなく
・安全面(避難経路・防火設備・非常灯・ドアの開閉など)が適正か
・清掃・仕上げ・工事廃材の処理が済んでいるか
・新しいオフィス環境での運用ルールが従業員に共有されているか

まとめ

オフィス改装は、単なる内装工事ではなく「働き方そのものをデザインする機会」です。正しい知識と準備で進めれば、業務効率や社員の満足度、企業のブランド力を大きく向上させることができます。


オフィスバコでは、こうした改装にまつわる疑問や不安に寄り添い、最適なプロジェクトパートナーを見つけるお手伝いをしています。オフィスバコや、多様な専門家が、貴社の働き方や事業戦略を深く理解し、最適なオフィス改装プランをご提案します。まずはお気軽にご相談ください。

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